代表 武井 寛


 私は小学校1年生の時に講道館で柔道を始めました。

 講道館とは柔道の創始者である嘉納治五郎先生が作った道場であり教育の場です。

 嘉納治五郎先生が柔道を作った目的、それは、「社会に役立つ人材を作ること」です。 

 

社会に役立つとはどういう事でしょう?

それは、皆さんのご両親や、全国各地で地域・スポーツなどに携わっている方々の様に、それぞれの学校を卒業した後、仕事を持って社会・経済に貢献し、子孫繁栄のために家庭を持ち、自分の子供や他のうちの子供が良く育つために努力する、ということです。そのためにはどうしたら良いでしょうか?そのためには勉強です。

 

柔道だけ頑張れば柔道が強くなるかもしれませんが、どんな強い選手も選手を引退する時期が来ます。そのとき、柔道することしか知らなければ仕事につく事が出来ません。柔道を自分がする事と、教える事は違います。教えるためにはそのための勉強をしなければなりません。

 

柔道が強くなるためにも勉強が必要です。身体を大きくするには何を食べたら良いか?腕の力が弱ければどういうトレーニングをすれば良いか?勉強をすれば効率良く強くなることが出来ます。

 

勉強をするというのはただものを覚える事ではなくて、覚えたことを使って考える様にするということです。柔道のことはもちろん、自分のこと、友達のこと、クラスのこと、学校のこと、山形県のこと、日本の事、世界のこと、いろいろ考えてください。

 

私が講道館に入門した日、赤帯のおじいちゃん先生からまず言われた事は、「学校の先生の言うことを良く聞きなさい」という事でした。今となってはその意味が良くわかります。勉強していろいろなことを考え、社会に出たら勉強したことを、柔道で鍛えた心と体で生かして世の中の役に立ちなさい、ということを言いたかったのだと思います。

 

皆さん、柔道が強くなるためにも、将来世の中の役に立つためにも、一生懸命柔道をして、一生懸命勉強をしてください。

 

もう一つ、柔道は外国に出たときに役に立ちます。英語で黒帯のことをBlack beltと言います。海外で、自分は柔道家でblack beltだというと、一目置かれます。一目置かれれば、その後の人間関係が仕事でも、遊びでもスムースに行きます。そのためにも、是非日本人の誇りとも言える柔道を続けて、黒帯を取り、世界中に友達を作ってください。

  

2019年に本クラブは多くの方に支えられ、創立20周年を迎えました。

人口減の日本・山形において、地域のスポーツクラブは大きな役割を担っています。

空気や水が綺麗で、四季折々の自然と食べ物が豊かな山形で、スポーツが楽しめて健康に&勉強が出来る住みやすい街づくりを目指し、共に柔道を通して彩りある人生を送りましょう。